消滅時効というのは一体なんなのか?債務整理との関係は?

債務整理

その権利が一定期間行使されない場合は、その権利を消滅させます。という制度です。

例えば、お金を貸した会社が借りた人に一度も請求せず、なおかつ借りた人も一度も返済しないまま5年以上が過ぎた時、お金を貸した会社に消滅時効の主張をする事で貸した側は借りた人に返済を請求できなくなります。

消滅時効で消滅するものとは一体なに?

貸金業者からお金を借りた人、という例でご説明すると貸金業者が行使できる権利が消滅することになります。

ただし、自動的に消滅するわけではなく債務者が債権者に「時効援用通知書」というものを送り、時効が完成しましたよという主張をしなければ時効そのものが成立しません。

消滅時効と借金の関係性

何もしないままいることで権利が消滅するのは理解したけれど、借金とはどういう関係があるのでしょうか。

例えば、借金を完済したAさんと途中まで返済していたBさんがいたとします。
Aさんは完済した時の証明書を持っています。Bさんも毎回返済時の振込明細書を持っています。

あれから12年が経ち債権者がAさんBさんにこう言いました。
「まだ一度も返済されず困っているんだけれど早く返してくれ」

Aさんはとっくに完済していますし、Bさんは途中まで返済しています。
しかし2人とも12年前の時点で持っていた完済・返済を証明するものはもう持っていません

つまり、この時点で2人は証拠を出せないためまた返済を請求されてしまうという事態になってしまいました。

時効消滅とは、こういう場合の救済措置として制定された法律です。
債権者は12年も請求できる権利を放置していました。

法律では権利を行使したいのであればすぐに行使せよ。という考えに基づいています。
債権者は長年権利を放置してきましたから、権利を行使しないという事実が優先された結果、今になって請求しても認められない。ということになるのです。

消滅時効は費用がかかるの?

消滅時効において時効の成立には「時効援用」という主張が必要だとご説明しました。
この時効援用を弁護士や司法書士にお願いすることもできます。

費用は事務所によって違いますが2~3万円程度だと思われます。
あまり馴染みのない制度ですが、自分でやって失敗するよりは法律の専門家に任せた方が安心でしょう。

消滅時効はこのポイントに注意!

ここで改めて消滅時効の法律的な部分について触れておきます。

  1. 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
  2. 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

さて、借金の消滅時効ですが最後の返済または借入のときから進行します。
ここで注意しなければならないのは「時効の更新」です。

例えば債務者が債権者に対して債権の存在を認める(確かにお金を借りていますという事実)と、時効期間はリセットされてしまうというものです。

他にも「時効の完成猶予」にも注意しましょう。

これはどういうものかというと、その時点で一旦時効が停止し6ヶ月間(最長1年)は時効が完成しないというものです。

どういった時に停止するのかというと、催告があった時や仮差押え、または協議を行うという合意があった場合などです。

消滅時効でよく聞く「援用手続き」とは一体なに?

時効の期間については触れてきましたが、消滅時効で注意すべき点は時効期間を経過しても自動的に消滅時効とはならない点です。

債務者が債権者に対して「時効援用通知書」を送って初めて時効が完成します。
つまり借金の返済を迫られなるということです。

時効援用は自分でできるもの?

自分でもできますが、後で争いになった時のことを考えると口頭などではなく、法律の専門家にキチンと内容証明などで送ってもらった方が安心といえるでしょう。

時効援用が失敗したらどうなるの?

もし、時効の援用に失敗するとどうなるのでしょうか。
たいていは遅延損害金などを請求されてしまう可能性があります。

放置していた年数が長ければ長いほど遅延損害金も膨大な額になります。
それらを債権者から請求されてしまいます。

消滅時効の意外なメリット!?

なかなか難しく成功にしにくい消滅時効ですが、意外なメリットもあります。
借金がなくなる、というのももちろんですが一部の信用情報機関から事故情報が消えたりもします。

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